避難所のリアルと避難生活に備えた事前対策

高荷 智也

〈備え・防災アドバイザー〉

高荷 智也

避難生活は難民キャンプにも劣る環境…

日本は災害大国で誰もが被災者になり得ます。大規模な災害発生時には「避難所」で一時的に生活を送ることになりますが、避難所生活は厳しいものになりがち。というのも、日本の避難所生活は、難民キャンプにも劣る環境下におかれることになるからです。

日本のガイドラインでは、寝る場所は体育館の床で1名につき畳1畳分しか定めていません。なぜなら、避難所は「短期滞在」しか想定されていないからです。夏は暑い、冬は寒い、床は硬い。食中毒やインフルエンザ、新型コロナの問題もあります。もちろんプライバシーはまったくなく、ストレスや盗難、犯罪などのトラブルの問題もあります。そうして引き起こされる最悪の問題が、被災で生き延びた方が避難所で命を落とす「災害関連死」です。

「避難所の環境は相当悪い」ことを前提にして、「屋根と床」以外は衣食住すべて自分たちで準備をしないといけないのです。毛布も家族全員分もらえるとは限りません。寝るための道具である寝袋も準備しておく必要あるのです。

高荷 智也

〈備え・防災アドバイザー〉

高荷 智也

「自分と家族が死なないための防災対策」と「企業の実践的BCP策定」のポイントをロジック解説するフリーの専門家。大地震や感染症パンデミックなどの防災から、銃火器を使わないゾンビ対策まで、堅い防災を分かりやすく伝えるアドバイスに定評があり、講演・執筆・コンサルティング・メディア出演など実績多数。著書に『緊急事態宣言対応 最善最強の防災ガイドブック』など。1982年、静岡県生まれ。

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